2007/08/26

雑巾 (2)

「やい!ボロ雑巾!おめぇに楽しいことはねぇのか!」

と大将肌の村人の喜之助が言いました。

雑巾は何も聞いていないかのように黙々と農作業をしています。

腹を立てた喜之助は雑巾の胸ぐらを掴んで

「俺の言っていることが聞こえないって言うのか!」

「私はあなたの言うことを聞きたいと思うでしょうか」

と雑巾は言い返しました。

「てやんでぃ!」

と喜之助は叫びながら拳を握り雑巾に襲いかかりました。

喜之助が雑巾をいくら殴っても、雑巾は反撃をすることはありませんでした。

雑巾はただ一方的に殴られた後にこう言いました。

「あなたは理由も無く、一時の感情で私を殴ってしまいましたね。」

喜之助は不気味な気分になり、その場を去りました。

喜之助は雑巾との出来事を村人たちに話すと、村人たちは雑巾のところに今夜集まることを決めました。

そして辺りが暗くなると、たくさんの揺れる松明が雑巾の家の方へ近づいていました。


続く

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

何もかもを見透かしたような態度を
とる雑巾。
さてさてどうなる~??

sato4 さんのコメント...

どーも、sato4です。
さ~てどうなるんでしょうか?
私にさえわかりません・・・。