2007/08/15

一寸法師~その後~

一寸法師と呼ばれた男の話をしようと思います。
一寸ばかりなる男が鬼を退治する話はあまりにも有名です。
その男は鬼を倒し、うちでの小槌で大きくなって話はめでたく終わっています。
でも、実際の話はそうではないのです。(その後の内容は私が勝手に作ったものです。)

一寸法師(既に一寸の大きさでないので、男と呼ぶことにします。)は大きくなったことを良いことに姫を襲い、町中の女を強姦する日々が続いていました。
人々はその男の悪行に困りはて、男を退治しようとしました。
しかし、男は願いの叶う「うちでの小槌」を持っていました。
その魔法を使い、妖怪や鬼など召喚してしまうのです。
町の人々は男への攻略を試みるのですが、うちでの小槌の魔法により幾度も失敗を繰り返してしまいました。
うちでの小槌を手にしている男はもはや無敵であったのです。
男の悪行はどんどん酷くなるのですが、男を止める者はこの世にはいない状況でした。
町中の人々は鬼が暴れ回っていた時代の方が、まだ良かったと感じていました。

下界のそういった状況に神は眉を細めておられました。
神は男の目の前に舞い降りられ、男に罰をお与えになりました。
神は男にこのようにおっしゃいました。

「君は強欲すぎる。だからうちでの小槌は返してもらおう。」
そのようにおっしゃると、男の手からうちでの小槌が離れ、消えてしまいました。

神はさらにこうおっしゃいました。
「それともうひとつ。君に言っておかねばならないことがある。うちでの小槌は魔性の道具。願いをかなえる代償は魂なのです。そして君の命は、もってあと三日でしょう。」

その事を知ると男は泣き叫び、こう言いました。
「どんなことでもします。どうか助けてくれないですか。」

神は顔を顰め(しかめ)、男にこのようにおっしゃいました。
「君の命と交換に大きくなった身体を小さく戻す。そして常に善行をすることを心がけよ」

男は小さく俯きながら「はい。」と言いました。
すると、神は杖を天にかざすと辺り一面は光で満ち溢れました。
それは思わず目をつむるほどでした。

すると男の身体は小さく戻りました。

その後は遠くに病人がいれば、遠くまで出向き看病をし
喧嘩をするものがいれば「つまらないことはやめなさい」諫め
気づけば人々から喜ばれる人間になっていました。

一寸法師は背は一寸にも満たなかったのですが、心は世の中で一番大きくなったとさ・・・。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

オチがちょっとべただけど…。

    ∧_∧
   ( ・∀・)/ヽ
    ノ つつ ● ) あっぱれ
  ⊂、 ノ   \ノ
    し'

sato4 さんのコメント...

>oku
変な褒めかたのようですが、嬉しいです。

オチは以前に書いていたものを一新して変えようと色々考えたのですが、残念ながらすっきり終わるにはベタな方向になってしました。

すみません。